三菱自、エコカー減税5割未納 データ不正、委任状回収に時間

 
燃費不正問題を受けた社内改革についての記者会見の冒頭で頭を下げる山下光彦副社長=13日、東京都港区

 三菱自動車の燃費データ不正問題で、エコカー減税を不正に受けた約90億円のうち、3月末時点で半額程度が納付されていないことが16日、分かった。同社が肩代わり納付するために必要なユーザーからの「委任状」の提出に時間がかかっているためで、20日で不正発覚から1年を迎えるのを前に、同社は「今後も責任を持って支払っていきたい」としている。

 同社によると、ユーザーが燃費データの不正により受けたエコカー減税の総額は約90億円。このうち約5割に当たる約40億円を今年3月末現在で支払ったが、残額が未納になっている。

 自動車の燃費性能に応じてユーザーが払う自動車取得税や自動車重量税などを減免するエコカー減税で、今回の不正により減額された分は、同社が国や都道府県に納付することになっている。この際に、納税義務を負うユーザーが同社に委任状を提出しなければ納付できないものもある。

 委任状提出に時間がかかっている理由について、自動車業界関係者は「エコカー減税はユーザーへの賠償と違って、個人の利益にならないからではないか。三菱自動車ももっと積極的に委任状を回収すべきだ」と指摘する。

 これに対し、実施済みのユーザーへの賠償は、対象のeKシリーズで約90%▽ほぼ販売が終了している5車種で約91%▽現行販売7車種で約71%で実施済み。全体では約86%に上る。

 同社ホームページによると、ユーザーへの賠償金額は対象車種により1台当たり10万~3万円。リース利用やすでに自動車を手放したユーザーなどは使用年数で案分する。

 申請期限は6月30日午後5時までとなっており、同社は申請書の発送を呼びかけている。

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【用語解説】三菱自動車の燃費データ不正

 燃費を実際より良く見せかけるために、改竄したデータなどを国に提出していた問題。昨年4月に発覚し、過去10年間に販売した全車種で不正があったことが判明した。三菱自動車は、ユーザーへのおわびやガソリン代の差額分として賠償金を支払うほか、不正により受けたエコカー減税の追加納付も行うとした。