三菱自、エコカー減税5割未納 データ不正、委任状回収に時間
三菱自動車の燃費データ不正問題で、エコカー減税を不正に受けた約90億円のうち、3月末時点で半額程度が納付されていないことが16日、分かった。同社が肩代わり納付するために必要なユーザーからの「委任状」の提出に時間がかかっているためで、20日で不正発覚から1年を迎えるのを前に、同社は「今後も責任を持って支払っていきたい」としている。
同社によると、ユーザーが燃費データの不正により受けたエコカー減税の総額は約90億円。このうち約5割に当たる約40億円を今年3月末現在で支払ったが、残額が未納になっている。
自動車の燃費性能に応じてユーザーが払う自動車取得税や自動車重量税などを減免するエコカー減税で、今回の不正により減額された分は、同社が国や都道府県に納付することになっている。この際に、納税義務を負うユーザーが同社に委任状を提出しなければ納付できないものもある。
委任状提出に時間がかかっている理由について、自動車業界関係者は「エコカー減税はユーザーへの賠償と違って、個人の利益にならないからではないか。三菱自動車ももっと積極的に委任状を回収すべきだ」と指摘する。
これに対し、実施済みのユーザーへの賠償は、対象のeKシリーズで約90%▽ほぼ販売が終了している5車種で約91%▽現行販売7車種で約71%で実施済み。全体では約86%に上る。
同社ホームページによると、ユーザーへの賠償金額は対象車種により1台当たり10万~3万円。リース利用やすでに自動車を手放したユーザーなどは使用年数で案分する。
申請期限は6月30日午後5時までとなっており、同社は申請書の発送を呼びかけている。
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【用語解説】三菱自動車の燃費データ不正
燃費を実際より良く見せかけるために、改竄したデータなどを国に提出していた問題。昨年4月に発覚し、過去10年間に販売した全車種で不正があったことが判明した。三菱自動車は、ユーザーへのおわびやガソリン代の差額分として賠償金を支払うほか、不正により受けたエコカー減税の追加納付も行うとした。
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