販売好調のインプレッサについて語る富士重工業の阿部一博氏【拡大】
■安全と走り 日米の求める機能両立
富士重工業が昨年10月に全面改良して発売した主力小型車「インプレッサ」の販売が好調だ。新開発のプラットフォーム(車台)を初採用し、衝突時に衝撃を吸収する力や安定性を高めて安心と走りの楽しさを追求。今年1月末までの約3カ月で国内受注は2万4427台に上り、月2500台の販売目標を大きく超える水準で推移している。成功に導いたのは、市場の要求に対する丁寧な聞き取り調査と、主力市場の米国と日本の求める機能を両立する工夫だった。
世界販売を牽引
「米国で絶対に成功するクルマにしろ。ただ、日本の顧客の需要もよく考慮すること」。吉永泰之社長は開発を始めた2013年、総括するスバル商品企画本部プロジェクトゼネラルマネージャーの阿部一博氏にこう注文した。
同社の16年の世界販売は前年比3%増の101万2000台。うち米国は61万5000台と8年連続で過去最高を更新し、初の100万台突破を牽引(けんいん)した。吉永社長は「(現地で)安心・安全のイメージが浸透し、ブランド力が上がっている」と分析する。
インプレッサにとっても、米国での成功は「大前提」(阿部氏)。競争力の源泉である安心・安全性能を高める新プラットフォームの採用は開発の柱だった。構成する車体やシャシーに高張力鋼板の採用を広げ、各部の剛性は1.7~2倍に強化した。追突しても従来モデルより1.4倍大きい衝撃エネルギーまで吸収して車内を守る。