販売好調のインプレッサについて語る富士重工業の阿部一博氏【拡大】
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≪企業NOW≫
■ボーイング「777X」の中央翼生産へ
富士重工業は今春、半田工場(愛知県)の新工場を稼働させ、米航空機大手ボーイングの次世代旅客機「777X」の中央翼の生産を始める。2020年の初号機納入を見据え、生産能力は最大年120機を計画。将来の大規模受注を取り込み、航空・宇宙事業を自動車に次ぐ第2の柱に育成する方針だ。
中央翼は胴体内で左右の主翼をつなぎ、燃料タンクにもなる主要な構造材の一つ。新工場棟は昨年4月に建屋が完工し、建築面積は1万1600平方メートル。総投資額約100億円で、部材を接合する自動打鋲機や自動搬送機を備えた2ラインを設置する。
半田工場はこれまで現行大型機「777」の中央翼を生産し、昨年9月末までに累計約1500機を出荷した。777Xでは部材の追加で価格上昇が見込める上、「20年以上にわたり累計1000機以上(の受注)が期待できる」(同社)
同社は航空機メーカーを前身とし、市場内で技術力が大きな存在感を示す。ただ、売上高に占める航空・宇宙事業の割合は約5%にとどまる。汎用エンジンの生産・販売を9月末に終了することを決定。事業の「選択と集中」を進めており、航空・宇宙を担当する永野尚専務執行役員は「売上高に占める割合を10%まで高めたい」と話している。
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■富士重工業
【設立】1953年7月
【本社】東京都渋谷区恵比寿1-20-8
【資本金】1537億9500万円
【売上高】3兆2323億円(2016年3月期)
【従業員数】1万4234人(16年3月現在)
【事業】自動車や航空宇宙関連機器の製造販売