ゴーン氏、3社連合の世界販売「世界最大グループになる可能性」

三菱自動車・株主総会詳報(2)
三菱自動車の株主総会で発言する益子修社長のモニター映像=23日午前、東京都港区

 益子社長の説明が終わると、今度はゴーン会長が経営戦略の演説をぶった。

 「私は、三菱自動車の持続成長に向けた改革を支援している。1年前の株主総会から遙かに状況は改善した。昨年6月の時点で三菱自は燃費不正問題に対処しており、軽自動車の販売休止などで平成28年度上期の業績は著しく悪化していた。当時、日産自動車による2370億円の出資発表あったが、出資はまだ完了しておらず、多くの不確定要因があった」と話した。

 その上で「今の三菱自は昨年の三菱自ではない」と強調。「強みと財産である、四輪駆動技術とSUVをさらに発展させるための幹部がそろい魅力ある商品を投入している」と持ち上げた。益子社長をはじめとする経営陣の改革の取り組みは「すでに実を結んでいる」とし「28年度は通期で営業利益の黒字となった。V字回復の始まりだ」と順調な改善ぶりを強調した。

 急速な業績回復の理由についてゴーン会長は「ルノー・日産のアライアンスメンバーの一員になったことによる」と胸を張った。ここまで話すと、ゴーン会長は、アライアンスについて、詳細な説明に入った。

 日産とルノーが提携したのは平成11年。ゴーン氏は、そのほとんどをトップとして過ごしており「この18年の経営に基づき、アライアンスの価値を高く評価している」と説明。アライアンスは「各社の風土を尊重しており、三菱、日産、ルノーについても各社が享受するシナジー(相効果)の最大化と独自性を損なわないことを重視している」と述べた。三菱自については「自ら進む道を決める。三菱のハンドルを握るのは三菱の経営陣だ。アライアンスは各社単独ではできないことをやれる。技術やプラットホーム(車台)、購買力、生産体制というツールを各社に提供しあえる。各社はそのツールを自社の業績向上に使う。アライアンスは各社から不必要な重複をなくして原価低減や、投資の最適化をもたらす。アライアンス全体で革新技術を共有しあえる。三菱自は、ルノー、日産との比較を行い、最良の実践方法を選んで、利益を上げられる。わたしたちは、どこかが損をするような活動は一切しない。これもアライアンスが各社を尊重している証だ」と一気にまくしたてた。

 さらにアライアンスが三菱自にもたらす効果についても言及した。生産と購買、調達、プラットホーム、技術の共有、市場の存在感向上という6つの分野で相乗効果が得られると指摘。それぞれの利点について詳細に説明した。こうした取り組みにより、三菱自動車は29年度に250億円以上の相乗効果が捻出できるとした。またゴーン会長は、三菱自をとりこんだことにより29年度の世界販売台数で「アライアンス全体では世界最大の自動車グループになる可能性がある」とし世界首位を獲得できる見通しに初めて言及した。

 ゴーン会長は「三菱自が勢いを維持し、滑り出しは順調だ。30を超える企業横断チームが収益拡大を検討している。今年度、三菱自動車は前年度を11%上回る100万台を超える販売を計画する。営業利益は700億円だ。事業と新型車の開発投資も増大する。三菱自は31年度末までの中期経営計画を策定中で、秋に発表予定だ。年間販売台数で29年度比25%増加の125万台、営業利益率6%台とする計画を今年中に説明できることを楽しみにしている」と結んだ。

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