東芝、メモリ売却WD陣営へ 31日に正式契約で調整
東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却先が、提携先の米ウエスタン・デジタル(WD)陣営に固まったことが24日、分かった。東芝は韓国半導体大手SKハイニックスなどが参加する「日米韓連合」から優先交渉先を切り替えた。
東芝は24日に開いた社内外の取締役による会議でWD陣営と優先的に交渉する了承を得た。月内の最終合意を目指し、WDの出資形態など詰めの交渉を急ぐ。東芝の綱川智社長と週内にも来日するWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)が会談し、31日に正式契約を結ぶ方向で調整中という。
WDは合意すれば、東芝メモリの売却中止を求めて国際仲裁裁判所などで起こしていた複数の訴訟を取り下げる見通しだ。
WDの陣営は、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、官民ファンドの産業革新機構、日本政策投資銀行が参加する「日米連合」だ。ゆうちょ銀行なども加わり、東芝が求める2兆円規模の買収額を提示するとみられる。
今後は残された時間が少ない中で、東芝とWDが買収条件でいかに折り合えるかが焦点になる。
買収は日本勢が過半を出資して経営権を握る。WDは議決権のない社債などの形で数千億円拠出し、独占禁止法の審査を終えた後に2割未満の議決権を取得する方向だ。WDと東芝メモリは同業で、当初から議決権を得れば独禁法審査が長引く可能性があるためだ。ただ、東芝関係者は「WDの言い分と契約書の案に乖離(かいり)がある」と不安を口にする。
「WDは一番交渉が遅れていた陣営なので、まだかなり時間がかかる」(東芝関係者)のも懸念材料だ。細部で詰め切れていない部分も多く、期限内に調整が間に合う保証はない。
また、今回、東芝メモリの売却をめぐり、泥沼の訴訟合戦を繰り広げた東芝とWDが歩み寄ったことで、日米韓連合に参加していた革新機構や政投銀はWD陣営に乗り換える。一方、SKははしごをはずされることになっただけに反発も予想され、東芝にとっての新たな火種になる懸念もある。(万福博之)
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■東芝の半導体子会社売却をめぐる経緯
1月27日 半導体メモリー事業の分社化を発表
2月14日 同事業の売却方針を表明
3月29日 1次入札締め切り
4月 1日 分社化で「東芝メモリ」発足
5月15日 米ウエスタンデジタル(WD)が国際仲裁裁判所に売却中止を申し立て
5月19日 2次入札締め切り
6月21日 日米韓連合を優先交渉先に決定
8月10日 WD、鴻海精密工業とも交渉開始したと表明
8月24日 経営会議で優先交渉先をWD陣営に切り替え
8月31日 売却交渉の最終合意(予定)
来年3月 売却完了(予定)
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