【特報】変貌遂げた日産の新型「リーフ」、開発秘話に迫る 加速性能、デザイン面で進化

 
日産グローバルデザイン担当のアルフォンソ・アルベイザ専務執行役員(中央)

 日産自動車が全面改良した電気自動車(EV)「リーフ」は、EV最大の弱点とされてきた航続距離が大幅に向上。走行性能に加え、デザインや空力性能などさまざまな側面で大きな進化を遂げた。記者はいち早く開発の舞台となった日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)で徹底取材。新型リーフの魅力や開発陣の狙いをSankeiBizが特報する。

 ワイド&ローのデザイン

 新型リーフは外観デザインを大幅に刷新した。旧型に比べて車高は154センチと1センチ低く、横幅は179センチと2センチ広げて安定感を出した。EVはバッテリーを床下に置く制約があり、「欧米で旧型は背が高く、高速走行時に不安定に見られていた」(デザイナー)

 新型は「ワイド&ロー」のデザインを採用する一方、地上から車体底面への高さは維持してさまざまな路面への対応を可能にした。

 また、日産デザインの代名詞ともいえるV字型の「Vモーション」をフロントグリルに採用して先進性を演出。全長は448センチと3・5センチ延長し、荷室や後部座席のスペース確保につなげている。

 グローバルデザイン担当のアルフォンソ・アルベイザ専務執行役員は「日産車を象徴したデザインになった」と話した。

 スカイラインに迫る空力性能

 EVの航続距離の改善には、空力性能が大きなカギになる。エンジン音のないEVにとって、風切り音など車外の騒音も乗り心地に大きな影響を与える。新型リーフはテクニカルセンターの大規模な風洞実験施設で、空力性能や静粛性の改善を図った。

 空力では車体後部にまとわりつく気流を整えるため、ルーフ後部にスポイラーを取り付けた。車体底部のカバーも空力性能を重視して作り直している。スポイラーなどの形状は微妙な違いが性能差につながるため、「ミリ単位で大きさを調整した」(開発担当者)

 結果、空力性能の指標である空気抵抗係数(Cd値)は、旧型比で4%減の0・27に改善。日産車で最良のスカイライン(0・26)に次ぐ水準まで空気抵抗を減らした。また、ドアミラーの上下に風を逃がす設計を採用し、静粛性も改善している。

 零下40度まで試験

 新型リーフは先進的なEVでありながら、酷暑や風雪など厳しい天候に対応する耐久性能を兼ね備えている。

 日産は平成20年に全天候環境や日射量を試験する施設をテクニカルセンターに新設した。施設では気温45度の熱帯から零下40度の寒冷地まで再現。1時間100ミリの豪雨や1キロワットの太陽光のほか、粉状など3種類の降雪などあらゆる天候で、走行性能などを維持できるか確認した。

 EVにとって気温の変化による課題は空調性能の確保だ。EVは暖房の熱源の一つであるエンジンがない。空調にも電気を使用するが、「空調に配分を傾け過ぎると航続距離に影響がでる」(開発担当者)。新型リーフは1カ月以上の試験を経て、快適な空調と約400キロの航続距離を両立している。(会田聡)

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