AIなどで地球規模の課題解決を 米シンギュラリティ大のシンポ開幕

 
シンギュラリティ大学ジャパンサミット会場の企業ブース=6日、東京都江東区(原田成樹撮影)

 「シンギュラリティ(技術的特異点)」が近づく人工知能(AI)などの技術を地球規模の課題解決にどう役立てるかを議論するシンポジウム「シンギュラリティ大学ジャパンサミット」(21Foundation主催)が6日、東京都江東区の日本科学未来館で3日間の日程で開幕した。

 シンギュラリティは、技術がある高いレベルに到達した瞬間、質的な変化が起こり、それまで困難だった問題が次々と解決する現象を指す。米シンギュラリティ大の共同設立者で未来学者、レイ・カーツワイル氏がその時期が迫っていると予言したことで現実味を帯びている。

 シンポジウムには国内外からAIや環境、医学など多分野の専門家が集まり、技術の進展や抱える課題などについての講演や、討論での意見交換を行う。参加申し込みは既に締め切っている。

 オープニングの基調講演では、シンポジウムのエグゼクティブディレクターを務めるウィル・ワイズマン氏が「さまざまな分野で加速度的に変化が起きている。世界や環境に良いことが、企業にとってもチャンスになっている」と来場者に積極的な取り組みを呼びかけた。

 続いて、世界最速のスーパーコンピューター開発を目指すベンチャー企業「ペジーコンピューティング」(東京)の斉藤元章社長が講演し、AIやシミュレーションの進化で医療は急速な進化を遂げると強調。「人間の脳が他人の脳ともつながっていく」などと人類の知性も地球規模で進化していくという未来像を示した。