家庭用自動ドアで家事負担軽減 神谷コーポレーション湘南、来年1月発売
室内ドアメーカーの神谷コーポレーション湘南(神奈川県伊勢原市)は、家庭用自動ドアを来年1月に発売する。便利さを強くアピールすることで、将来は温水洗浄便座並みに普及率を高めていきたい考えだ。買い物帰りに荷物を持って手がふさがっていてもスムーズに入室できるなど、家事や日常生活での負担を軽減する。1セット60万円から。初年度は20セットの販売を目標としている。2019年には米国、欧州、アジアなど海外にも展開する。
家庭用自動ドアは、施工業者や施主から要望があったことから企画・開発した。センサーに手をかざすだけで開閉する。手がふさがっている場合でも、センサーの4センチ以内に近づくと反応する。
安全性にも配慮している。誤って挟まってもすぐに自動で戻るほか、障害物にぶつかった場合はその場所を記憶して、同じ位置に自動で止まる機能が働く。また、停電時には普通の引き戸と同じように手動で開閉する。機構はドア枠内に内蔵されているため無駄な出っ張りがなく、すっきりしたデザインとなっている。
洗濯物を両手で運ぶ、子供を抱いての移動、食事の配膳(はいぜん)など、思うように手が使えないときに活用することで、育児や家事全般の負担を抑え、時短やストレス軽減を実現する。
今後、横浜、大阪、名古屋、福岡など全国7カ所のショールームのほか、トラックの荷台に展示した移動ショールームで実物を体験してもらい認知度を上げていく。
家庭用自動ドアは主にバリアフリー化や車いす利用者の住宅で使われて、一般的には普及していない。
温水洗浄便座や自動車の自動スライドドアも当初は不必要と思われていたが、今では高齢化などで生活環境が変化し、需要が伸びていることなどから、神谷忠重社長は「10年単位の長い期間をかけて普及させていきたい」と話している。
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【会社概要】神谷コーポレーション湘南
▽本社=神奈川県伊勢原市鈴川50
▽設立=1948年4月
▽資本金=9980万円
▽従業員=170人(2017年8月末時点)
▽事業内容=室内ドアの製造販売
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