消費者金融大手の武富士が経営破綻したのに続き、同社の名物CMで一世を風靡した「武富士ダンサーズ」の育ての親の広告代理店も破産した。一番驚いた人物は間違いなくこの人だろう。武富士のCMソング「Synchronized Love(シンクロナイズド・ラブ)」で一躍大ブレークした、シンガー・ソングライターのジョー・リノイエ(49)を直撃した。(夕刊フジ)
「1990年に始まったダンサーズCMは、当初非常にタイトな白いレオタード姿の女性3人が、柔らかくセクシーに踊るバージョンでした。自分の歌がBGMで流れるのが恥ずかしくて、当時は早く打ち切ってほしい一心でしたね。ところが、歌詞に社名などを一切入れず英語で通したため、視聴者から武富士さんに『あの曲は何だ』と問い合わせが殺到し、人気に火がついたのです。完全に予想外でした」
当時をこう振り返るジョー。流ちょうな英語の歌声とその名前から、一部メディアに「米ニューヨーク在住」などと紹介されたこともあるが、日本生まれの中国系日本人。5歳からアメリカンスクールに通い、世界的名門の米バークリー音楽院でボーカルとピアノを学んだ音楽エリートだ。
当時も今も、都内の音楽スタジオを拠点に、平井堅や小柳ゆき、鈴木雅之といった大物アーティストからアニメソング、コカ・コーラやトヨタなど名だたる企業のCMソングまでプロデュース。これまで生み出した数百曲のうち、自身がボーカルを務めたのはシンクロ-を含め数曲だけだ。
「人気が頂点に達した95年ごろには、幼稚園から大学まで、全国のダンスサークルやプロチームから、『フルバージョンが聴きたい』とリクエストが寄せられ、ここで初めて1曲通しのシンクロ-を作り上げました。ピークを過ぎたあたりで、武富士さんが女優を使ったCMに切り替えましたが、売り上げが激減。武井会長(当時)自ら『もう一度アノ曲で行け』とトップダウンで指示したことを、後に関係者から聞かされました」