炭素繊維、量産車で躍進 日本勢優位、供給の動き加速 (2/3ページ)

2011.2.12 05:00

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 これまで炭素繊維の量産化へのハードルは高かった。複合材を製造するには、アクリル繊維などを炭化させて繊維にした後、樹脂で固めて成型する必要があり、成型に30分以上かかるため大量生産に向かない。さらに、鉄とは「一桁違う」(東レ)とされる原料価格の高さも普及を妨げてきた。こうした事情から現時点で本格採用しているのは、トヨタ自動車の高級スポーツカー「LFA」などごく一部にとどまっている。

 そこに風穴を開けたのが東レだ。昨年秋に工程の見直しや新たな樹脂の開発によって成型時間を5分に短縮する技術を確立し、量産化への道筋をつけた。東レとの合弁に踏み切るダイムラー側には、車体軽量化が急務になっているという事情がある。2012年に欧州で、新車の二酸化炭素(CO2)排出削減を求める新環境規制が始まるからだ。12年に発売される「SLクラス」は、年間数万台規模を売る量販車としては、初の本格採用となる見通しだ。