ヤマハは“再挑戦”
“本家”の二輪車メーカーも負けていない。ヤマハ発は昨年9月、業界に先駆けて電動スクーターを発売した。価格は25万2000円と高めだが、当初の年間販売目標1000台は、1年足らずの現時点ですでに1600台を出荷したという。
実は、ヤマハ発は02年に電動二輪車を販売したが、07年には撤退した経緯がある。当時はまだ電動系の乗り物に対してなじみが薄く、販売が伸びなかったため。しかし、現在は環境意識の高まりやガソリン価格の上昇、さらにEVの市販などで電動に対する消費者の意識が変化。欧州や台湾などでは電動二輪車の需要が拡大していることもあり、同社は今月、静岡県磐田市に電動二輪車などの工場用地として4万6000平方メートルの土地を取得したばかり。
昨年2月に策定した中期経営計画では電動二輪車を重点事業の一つとして打ち出しており、「将来的には世界の電動二輪市場でトップシェアを目指す」と成長戦略に組み込んでいる。
電動二輪車市場は、震災前までベンチャー企業の製品が中心だったこともあり、消費者の認知度も低く普及台数も少なかった。矢野経済研究所の調べによると、10年の国内出荷台数は、前年比2倍超ながら9000台にとどまったもよう。しかし、今後は二輪車大手の参入などで認知度が高まることなどで、13年には4.5万台、15年には9.5万台に伸びると予測する。
電池コスト・走行距離改善 拡大のカギ
成長市場をにらみ、異業種などの参入も本格化してきた。
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