「孫氏は政商」 旧知の起業家、ソフトバンクの太陽光発電事業参入を批判 (2/3ページ)

2011.7.16 12:32

インタビューに答えるグロービス経営大学院学長で、コンサル会社「グロービス」社長の堀義人氏=13日、東京都千代田区(飯田英男撮影)

インタビューに答えるグロービス経営大学院学長で、コンサル会社「グロービス」社長の堀義人氏=13日、東京都千代田区(飯田英男撮影)【拡大】

  • 孫正義氏と堀義人氏の主張

 堀氏は批判に転じた理由について、「100万人以上のフォロワー(ツイッターの登録読者)がいる孫さんの発言は影響力が大きく、方向性が間違っていると国民全体に多大な損害を与えるから」と語る。

 再生エネルギー特措法案は、企業や家庭が太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気の全量を、電力会社に買い取らせるというもの。発電設備の導入には国などから補助金が出されるほか、買い取りにかかる費用は電気料金への上乗せが前提で、国民負担によって新規参入者がもうかるだけとの指摘もある。

 孫氏は5月14日、菅首相と会食し再生可能エネルギーの普及で意気投合。同月25日にはソフトバンクが太陽光発電事業に1千億円規模を投資すると表明した。

韓国に避難?

 堀氏は太陽光発電は夜間に発電できないことやコストの問題などから「10年以内に20~30%の電力を安定的に供給できる可能性はゼロに近い」と指摘。孫氏発言の一番の問題点について「脱原発を訴えることで、太陽光発電が原発の代替手段になるかのような幻想を抱かせていることだ」と断じる。その結果、「原発の再稼働を遅らせ、日本経済に壊滅的な打撃を与えることになる」と懸念する。

 堀氏はソフトバンクが9月に国内での大規模災害に備え、韓国にデータセンターの運営会社を設立することについても矛先を向ける。「脱原発が進むと、日本から安定的な電力が奪われ、電気料金も上がる。だがソフトバンクは、原子力でまかなわれた電気料金の安い韓国で難を逃れられる。非常に矛盾している」

(次ページ)「孫氏は政治力を使い、自分のビジネスを有利に…まさに政商だ」

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