ゲーム業界の王者、任天堂が業績低迷にあえいでいる。同社は27日、平成24年3月期の連結最終損益が200億円の赤字に転落する見通しだと発表した。携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売不振と円高が響いたためで、通期の最終赤字は連結業績の開示を始めた昭和56年以降で初めて。年末商戦での巻き返しを狙うが、スマートフォン(高機能携帯電話)向けゲームの台頭など取り巻く環境は厳しく、苦境脱出の出口は見えない。
「3DSの損失と、過去にない円高が響いた」。大阪市内で会見した任天堂の岩田聡社長は、業績不振の理由をこう説明した。
同日発表した平成23年4~9月期連結決算は、円高による巨額の為替差損で最終赤字が702億円に膨らんだ。3DSの不振で、本業のもうけを示す営業損益も初めて573億円の赤字(前年同期は542億円の黒字)に転落した。
裸眼で3D(3次元)映像を楽しめる3DSは2月末の発売直後こそ注目されたが、「有力ソフトが不足した」(岩田社長)ため失速。今年度の世界販売目標1600万台に対し、4~9月期の販売台数は307万台にとどまっている。
販売てこ入れのため8月、1万円安い1万5千円に値下げを決断。しかし、「3DSを1台売れば5千円程度の赤字が出る」(証券アナリスト)との見方もあり、現状は売れば売るほど赤字という。