「中国でのスマホ普及が、結果的にマルウエア感染の温床になっている。現地で横行する海賊版アプリにマルウエアを仕込む手口が多い」と、あるITセキュリティー会社のネット監視担当者は指摘する。
背景には、中国当局の通信規制があるという。「米グーグルが運営する公式のアプリ販売サイトに接続できないため、監視が無きに等しく『やりたい放題』のサイト経由で感染拡大しているのが現状だ」(同)。
今のところ、マルウエアの多くは架空の料金請求やデータ抜き取りなどを狙うタイプだが、今後、スマホによるオンライン決済が普及していけば、端末の遠隔操作による多額の金銭被害なども懸念される。
PCなどと一括管理
こうしたリスクに対し、各社は従来のPCだけでなく、スマホやタブレット端末なども1本で管理できるセキュリティーソフトやサービスを、昨年から相次ぎ投入している。
シマンテックやトレンドマイクロのほか、カスペルスキーは法人向けソフトの試用キャンペーンを開始。マカフィーは伊藤忠テクノソリューションズと提携し、同様のセキュリティーを提供する月額制のクラウドサービスを、1月から開始する。
IT専門調査会社のIDCジャパンによると、国内のセキュリティーソフト市場は今年、2064億円(前年比5.1%増)に成長する見込み。分析担当者は「東日本大震災の被災地復興を通じたIT基盤整備も追い風となり、市場の活性化は続くだろう」と予測している。
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【用語解説】マルウエア コンピューターウイルスなどに代表される不正や有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウエアなどの総称。さまざまな種類のプログラムやスクリプトで作成されている。コンピューターそのものには被害を及ぼさなくても、不正な料金などを表示、請求するものなどは含まれる。「悪意のある不正ソフトウエア」「不正プログラム」とも呼ばれる。