広がる飲用シーン
平成21年に初めてアルコール0・00%の「フリー」を発売し市場を切り開いたキリンも巻き返しに躍起だ。1月中旬製造分からのリニューアルでは、「酸化防止剤の使用をやめるなどで、飲みにくい雑味を減らした」(マーケティング部の梶原奈美子さん)。
昨年末に「ノンアルコール忘年会」を提案するなど、“飲用シーン”を広げる取り組みを続け、前年実績比24%増の510万ケースの販売計画を打ち出した。
サッポロビールは、東日本大震災直後の昨年3月に発売した「プレミアムアルコールフリー」を約2倍の200万ケースに増やす計画で、1~3月期に約7割の増産を行う。震災の影響で満足に展開できなかったキャンペーンなどのマーケティング活動も積極化する。
昨年は最下位に沈んだアサヒは、今月21日に起死回生を狙った新商品「ドライゼロ」を投入。一気に300万ケースの販売を目指す。
ところが、同社の主力ビールの「スーパードライ」を連想させる商品名とデザインに、キリンとサントリーがかみついた。
アサヒが先月10日にドライゼロの発売を発表すると、キリンの松沢幸一社長は「未成年飲酒や誤飲による飲酒運転につながりかねない」と批判。サントリー酒類の仙波匠常務も「(誤飲防止など)これまでの業界の努力を無にするもの」と、苦言を呈した。