消耗戦の懸念も
これに対しアサヒは、デザインに赤字で大きく「ノンアルコール」と記しているほか、業界の自主基準の改正を受け、今月からスーパードライに「お酒」のマークを目立つように入れることにしており、「誤って手に取ることはない」と反論する。
ただ、「スーパードライとは切り離した商品」(小路明善社長)と強調するアサヒに対し、業界では「派生商品として売り込みたいのは明白」(関係者)との声が大勢だ。スーパードライは販売量が年間1億ケースに達するスーパーブランドだけに、「愛飲者の10人に1人が試すだけで、1千万ケースになる」(同)との警戒感は強い。
各社にとってビール風味飲料は、重要な“ドル箱市場”だ。本業であるビール類の昨年の出荷量は、前年比4%減と7年連続のマイナス。これに対し、ビール風味飲料は、24%増の約1200万ケースと急拡大が続いた。酒税が課せられないにもかかわらず、145円前後と発泡酒と同水準の値段で売られており、利益率の高い“おいしい商品”だ。
ただ、大手4社の主力ブランドの今年の販売計画を合計すると1710万ケースに達し、前年実績から43%も増えることになる。果たして市場の拡大は続くのか。
「『これでもいい』ではなく、『これがいい』という消費者を増やしたい」(サントリーの水谷部長)
「仕方なくではなく、生活の中で飲まれるステージに移行させたい」(キリンの梶原さん)
担当者はこう口をそろえる。成長が止まれば、ビール類と同じように不毛なシェア争奪戦や値下げ合戦に陥るのは必至。成長の持続性を試される重要な年になりそうだ。(高橋寛次)