だが、事件が表沙汰(ざた)となり、大王の調査報告委員会は「井川父子が持つ絶対的支配権」が事件の原因と断定すると、潮目が変わる。佐光社長は「創業家が復帰することはない」と、創業家との離別を決断した。
いびつな資本関係
だが、脱創業家は簡単ではなかった。大王は関連会社が製品の生産を行い、本体は販売に徹するビジネスモデルで成長してきた。ただ、35社ある連結子会社35社のうち大王本体が過半数の議決権を持っているのは3社にとどまり、残りは創業家とそのファミリー企業が過半数を握るいびつな資本関係になっている。
「創業家が一族郎党を役員に就かせ、配当や報酬で利益を創業家に吸い上げるのが目的」(関係者)といわれている。
さらに関連会社株を持つ高雄氏が本体の経営から離れたため、連結子会社として扱うこともできなくなった。このため、大王はグループで持ち合っていた関連会社株を本体に集め、一時は8社に激減した連結子会社を何とか19社まで回復させた。
意高被告は関連会社から100億円を超える融資を引き出しており、関連会社の私物化が事件の背景にあり、佐光社長は創業家の影響力の排除が不可欠と判断。昨年12月8日に本社で高雄氏と会い、関連会社株の売却を求めた。
だが、持ち合い株の買い集めに不信を募らせた高雄氏はこれを拒否。逆に支配権の強化に乗り出した。