プレイステーション・ヴィータ【拡大】
しかも、2月単月の国内販売台数は4万8000台まで落ち込み、小型機種を発売してから2年以上たつPSPの6万3000台すら下回る。
2月初旬、平井一夫次期社長兼CEO(最高経営責任者)はインタビューで、「ヴィータは順調な滑り出しだと認識している」としたが、実態は順調とはいえないようだ。
携帯電話の3G(第3世代)回線を利用した通信機能や、つまんだりはじいたりする直感的な操作方法で鳴り物入りのデビューを果たしたヴィータは、ソニーグループが力を入れる映像や音楽、電子書籍などの配信サービスの浮沈を占う試金石ともいわれる。その戦略商品が不振にあえぐ最大の原因は、人気ソフトの不在だ。
2月の機種別ソフト販売本数は、3DS向けの65万6500本に対し、ヴィータ向けはわずか12万2600本にとどまる。
ヴィータは発売と同時に20タイトル以上をラインアップしたが、この中から“キラーソフト”となる人気タイトルは生まれず、ハードの普及につながっていない。