だが、福島第1原発事故で状況は一変。定期検査に入った原発の再稼働は進まず、国内54基の原発のうち、現在の稼働原発は東電の柏崎刈羽原発6号機と北海道電力泊原発3号機のわずか2基。原発による発電量は、今年1月には4.3%にまで低下した。再稼働できなければ5月には全原発が停止する。
原発の落ち込みを埋めているのが火力発電だ。昨年12月には総発電量の86%を占めた。電力会社によるLNGの消費量(2011年4月~12年1月)は前年同期比25%増の4295万トンに増加。電力不足を補うため運転を再開した老朽火力で使われることが多い重原油に至っては93%増の1741万キロリットルとほぼ倍増した。
火力発電の拡大は、年間最大3兆円とされる燃料費の増加に加え、産油国の状況や原油価格の影響を受けやすくなったことを意味する。イランが原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の封鎖に動けば、原油が高騰することは確実。火力発電への過度な依存は、エネルギー安全保障上も大きな問題となる。