ソニー、BtoB事業を強化 収益構造の大転換もくろむ (2/3ページ)

2012.3.13 05:00

 だが、現時点ではいずれも直接には人体に触れない周辺機器にとどまっており、医療界ではまだ末席の存在。年間売上高もわずか200億円前後とみられている。

 このため、ソニーはBtoB事業を統括する吉岡浩副社長を中心に、医療強化に向けた体制づくりに着手。昨年1月には、カメラやプリンターなどの技術者らを横断的に集めた「メディカル・ソリューション事業部」を新設した。今年4月以降は吉岡氏がメディカル事業及びイノベーション推進担当に就き、医療業界でのM&A(企業の合併・買収)の陣頭指揮を執る。

 オリンパスとの資本業務提携についても「興味を示しているのは事実」(ソニー関係者)。ソニーはもともとセンサーやレンズで高い技術を持っており、「内視鏡やX線診断などさまざまな医療機器を生み出す」(平井次期社長)ためには、オリンパスとの“融合”は欠かせないからだ。

 ソニーは、BtoBでイメージセンサーやゲーム用半導体など売上高1000億円超を5事業持つが、これを2013~15年までに倍の10事業に引き上げる計画を温めている。医療事業は、その急先鋒の位置づけだ。

 初の業務用蓄電池

 東日本大震災後に急速に関心が高まったエネルギー分野でも新たな動きを見せている。その中核が、ソニーがもともと強い蓄電池だ。

 昨年4月には同社初の業務用蓄電池を発売、企業や学校から想定以上の引き合いがあるという。