「ハリーポッター」シリーズ【拡大】
先ごろ、世界の出版業界を揺るがす大事件が起きました。世界的な大ベストセラーで、映画化もされた「ハリー・ポッター」シリーズ全7巻の英語版が遂に電子書籍となって先月27日に発売されたのです。
1990年代の英国を舞台に、主人公である魔法使いの少年、ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した闇の魔法使い、ヴォルデモートとの因縁深い戦いを描いた物語は、1997(平成9)年の第1巻刊行以来、爆発的に支持され、完結編となる2007年の第7巻までの全世界での売上累計は約4億5000万部に達しました。
しかし、なぜハリポタ電子版の発売が大事件なのでしょう?。ハリポタほど知名度の高い大ベストセラーの電子書籍化は初めてのうえ、価格も1~3巻が7ドル99セント(約650円)、それ以外は9ドル99セント(約820円)と安価なことも大きな理由ですが、実は他にもっと衝撃的な理由があるのです。
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第1の衝撃は、このハリポタ電子版、作者である英国人作家、J・K・ローリングさんが昨年開設したポッターの世界を双方向で楽しめるサイト「ポッターモア」での独占販売となることです。
(次ページ)ハリポタの権利を手放さなかった原作者の大勝利