「日本の電機メーカーはわれわれと組めばサムスンに勝てる」。シャープとの戦略提携を決め、大の“サムスン嫌い”でも知られる台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長は、かねてからこう主張してきた。青息吐息の日本の電機大手だが、その技術力は依然トップレベルにある。これに台湾・中国のコスト競争力を組み合わせれば、巨額投資にモノをいわせて成長してきた韓国勢にも引けをとらないという論理だ。
電機業界では、NECが昨年7月に中国レノボグループ(聯想集団)と国内パソコン事業を統合し、半導体大手のルネサスエレクトロニクスも昨年3月の東日本大震災後に、受託生産を手がける台湾大手のTSMCへの代替生産を拡大。今後も海外への委託を増やす計画だ。
ソニー、シャープにパナソニックを加えた家電3社の12年3月期の最終赤字の総額は、空前の1兆7000億円に上る。海外勢との提携には技術流出などのリスクも付きものだが、どん底からの反転攻勢に向けて残された選択肢は少ない。