平成19年6月、株主総会で社長を解任され、会見した三屋裕子氏。思わず涙ぐむ場面も=神戸市中央区(竹川禎一郎撮影)【拡大】
平成16年、三屋氏が突然、社長に抜擢された。創業家は「ホームパーティー形式の試着会」という同社の訪問販売モデルをしがらみにとらわれず、見直してくれると期待。これに対し、三屋氏は「むしろ独特のネットワークを生かした試着会を強化しよう」と考えたため、両者は対立し、三屋氏は創業家から解任された。
しかし、三屋氏を解任した創業家出身の社長も、MBO(経営陣による自社買収)をめぐり、「買い付け価格を不当に低く誘導した疑いがある」として、20年12月に解任。これを受け、プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インクを経て、13年にシャルレに入社していた岡本氏が社長に就任した。
その彼がなぜ、任期を全うせず、「一身上の都合」で辞めなければならなかったのか。実は、今回の辞任劇には伏線があった。
LED(発光ダイオード)照明の開発・販売子会社、シャルレライテック社長(シャルレ取締役)が、岡本氏と同じ「一身上の都合」で今月9日に辞任していたのだ。