内需株の代表格
株価も今年1月5日の安値の1万3600円から4月2日には1万9150円まで40%も上昇した。4日には3月の既存店売上高の伸びが市場の予想を下回ったことで大きく下げ、日経平均株価が1万円の大台を割り込む“ユニクロ・ショック”が起きた。
今や「円高にあえぐ輸出株に代わり、内需株の代表格として市場全体に大きな影響を及ぼす存在」(アナリスト)となっている。
ただ、市場では業績の先行きを不安視する声も出ている。国内での出店攻勢について、クレディ・スイス証券の山手剛人アナリストは「賃料など固定費の増大や、自社店舗同士の競合による収益低下を招きかねない」と指摘する。
海外事業も盤石ではない。海外収益のうち8割は約120店を展開する中国と約70店の韓国で稼いでいるとみられるが、「中国は出店に見合う利益が出ておらず、韓国はすでに頭打ち状態」(外資系証券アナリスト)との分析もある。
欧米ではブランドの認知度がまだまだ低く、ニューヨークの旗艦店「34丁目店」は赤字だ。
後継者問題も未解決
「銀座から世界」を目指す作戦にも、ライバルがひしめいている。
米カジュアル衣料大手トミーヒルフィガーは東京・表参道にアジア初となる旗艦店を今月18日にオープンした。来日したフレッド・ゲーリングCEO(最高経営責任者)は「日本市場に成長性があるとは思わないが、中国人観光客が多く来るので、中国に向けたブランドの発信地と位置づけている」と狙いを説明する。