この事態を受け、ソーシャルゲーム各社は業界を挙げての自主規制に踏み切った。グリーや「Mobage(モバゲー)」を運営するDeNA(ディー・エヌ・エー)など6社は3月、RMT追放の実効性を上げるための連絡協議会を設置。4月20日には日本オンラインゲーム協会がRMT行為や不正行為の禁止徹底を盛り込んだ「オンラインゲーム安心安全宣言」を出し、従来のガイドラインを強化した。
もっとも、アイテムの希少性を高めることでゲームの魅力を際立たせるソーシャルゲーム特有のシステムが、こうした事態を誘引したとの指摘もある。
時間短縮、カネで買う
携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)などがあれば無料で始められるソーシャルゲームは、仲間を募って敵と共に戦える仕組みが最大の特長。友人から友人へと誘いが広がる連鎖現象で、ゲームに参加する会員数は爆発的に伸びた。
ただ、ゲームの展開につれて強くなる敵を倒すため、プレーに膨大な時間を費やす代わりに用意されているのが、有料のキャラクターやアイテムだ。しかも「ガチャ」と呼ばれる1回300円程度の抽選方式で当たらないと、有料でも獲得できない。おのずと課金額が増えることで、ソーシャルゲームのビジネスモデルが成り立っている。
業界を牽引(けんいん)するグリーとモバゲーの国内の会員数は、それぞれ約3000万人前後。2011年10~12月期の課金売上高はグリーが約380億円、DeNAは約290億円で両社とも全売上高の9割以上を占める。
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