シャープと鴻海グループの業務提携会見で流される「鴻海精密工業」の郭台銘会長のビデオメッセージ=3月27日、東京・千代田区(栗橋隆悦撮影)【拡大】
平成24年3月期に過去最悪の最終赤字に転落したシャープ。25年3月期も液晶や太陽電池など、かつての“ドル箱”事業の不振で2期連続の最終赤字を見込む。業績回復の切り札と期待するのが、受託製造世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との資本業務提携だ。しかし、4月27日の決算発表では、具体策は交渉中として提携効果を盛り込めず、“台湾流”の復活シナリオはいまだ見えない。
「鴻海との具体的な提携効果が示されなかったことは残念だ」
シャープが25年3月期も300億円の最終赤字に陥る見通しを発表した後、ある証券アナリストはこう話した。
決算発表後、初めての取引となった1日の東京株式市場。2期連続の最終赤字見通しを嫌気し、シャープ株は年初来安値となる前週末比51円安の465円まで一時売り込まれた。約32年ぶりの安値水準だ。
24年3月期は競争激化に伴う価格下落で、液晶や太陽電池といった主力事業が営業赤字に転落。抜本的な立て直し策は示されず、25年3月期も両事業は営業赤字が残る見込み。
4月にトップに就任したばかりの奥田隆司社長は「今年度上期は厳しいが、下期には黒字化を目指す」と強調する。だが、SMBC日興証券の三浦和晴シニアアナリストは「上期で在庫処分を終え、下期に急回復を遂げられるかどうかはリスクが残る」と指摘する。