牛丼チェーン大手3社の2011年度決算が9日、出そろい、新規出店を積極化しているゼンショーホールディングス(HD)と松屋フーズが営業増益となった。ただ、下期以降は牛丼の値引き効果が薄れたほか、米価格の上昇など不安材料も出ている。12年度はコンビニエンスストアの中食の台頭などもあって厳しさが増すとして、松屋は減益を見込んでいる。
「値引きによる売り上げ押し上げ効果が下がってきている。お客さまが価格が下がることを期待しているのか疑問を感じる」。9日、12年3月期連結決算を発表したゼンショーHDの湯原隆男CFO(最高財務責任者)は、牛丼の定価引き下げや期間限定値引きによる集客効果についてこう述べた。同社の営業利益は前期比18.9%増の210億円と過去最高を更新したものの、稼ぎ頭の「すき家」の既存店売上高は昨年9月から連続して前年割れ。今期の既存店売上高も1.4%増(なか卯含む)と低めの計画だが、新規出店を前期比約40店多い361店とすることなどで増収増益を見込む。
牛丼大手3社は09年ごろから値引き合戦を繰り返してきたが、今年初めに牛めしの定価を引き下げた松屋も「値下げによる盛り上がりが収まっている」(緑川源治社長)とみる。これに加え、国産米の価格上昇がコストを圧迫している。国産米のみを使用するゼンショーの12年3月期の原価率は前期より1ポイント悪化の35.1%で、今期も改善しない見込み。一部店舗で豪州産米を導入した松屋も同様に悪化した。割安な輸入米は入札制度のため、価格を抑えて安定的に調達できるかも不透明だ。