信託銀「遺言」争奪戦 異例のペースで成長、その理由は? (3/3ページ)

2012.5.24 05:00

金融機関の遺言書保管件数

金融機関の遺言書保管件数【拡大】

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 このため各行は、専門部署の立ち上げや人材育成など態勢の強化を本格化させている。三菱UFJ信託は能力の高いコンサルタントの増強を図り、現在約100人の専門部署の人員を今年度中に200人以上に拡大する計画。りそなも今後1年間で専門部署の陣容を現在の約90人から約120人に増やす。

 三井住友信託は合併前の昨年11月、旧中央三井信託と旧住友信託の両行に専門部署を新設。全国の支店に税務や法務に精通したコンサルタントと遺言執行支援の要員を配置した。「不動産業を展開している信託専業ならではの強みを生かしたい」と他行との差別化を狙う。 

 専門部署新設・グループ連携で囲い込み

 グループの連携を生かすのは、みずほ信託銀行だ。年間1000~1500件ほどの遺言信託の受託件数に対し、みずほ銀行の顧客が約9割を占める。「銀行の営業担当者が信託のニーズも拾うアンテナを持っている」

 そこで、みずほ信託は、みずほ銀の営業担当者を受け入れ、遺産相続のコンサルティング手法を特訓。4月には数人が都内の主要店舗に戻った。

 グループが展開する相談専用拠点「トラストラウンジ」も活用し、富裕層の取り込みを狙う。

 少子高齢化や景気低迷を背景に信託市場全体は縮小傾向にある中、遺言信託は着実に伸びているだけに、各行の取り組みは今後さらに熱を帯びそうだ。(米沢文)