特許の活用には複数の手法がある。自社の特許を使った製品を流通させ、他社に同様の製品を作らせることを防いだり、一方で特許を他社に販売することで収益をあげることも可能になる。しかし、特許を持つだけでは、何の利益も価値も得ることはできない。
「日本には特許を数多く取得すればいいと勘違いしている人が多い。特許を活用しないと世界で生き残れないのに不思議だ」。ZTE日本法人の大和敏彦副社長(57)はあきれた表情で話す。
特許活用に“不慣れ”な日本の姿が浮き彫りになったデータがここにある。
特許庁が昨年12月にまとめた、2010年の知財関連の年間訴訟件数が中国は5785件に対し、日本は146件。特許に関して日本はもめず、紳士的な国ともいえるが、言い換えれば十分に活用しきれていない表れでもある。逆に中国の訴訟攻撃の標的にされる例も多く、一方で中国の模倣品に悩まされている日本企業も少なくない。
ソニー知的財産センターの内山信幸・パテント部担当部長(50)は「訴えられても、中国訴訟に強くなるための学ぶ機会とも考える」と割り切る。中国企業などに特許関連で提訴されるたびに、中国のどの地域の裁判所で戦えば、有利に進行するかなどを研究してきた。さらに「防衛」のための特許取得にも力を入れ、昨年の中国での特許出願件数は外国企業で首位の2430件にのぼる。