携帯ゲーム機を持たないMSもスマホやタブレットとの連携を強化。スマホをコントローラー代わりに使ったり、家庭用ゲーム機「Xbox360」を通じてスマホなどへの映像・音楽の配信サービスも始める。
MSは、タッチパネルとの親和性を売り物にした基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」の投入を今秋に控えており、スマホ向けなどのOSで先行する米アップルや米グーグルなどに対抗する狙いが透けてみえる。
“脱ゲーム専用機”を加速させる2社に対し、任天堂はあくまでゲーム主体のネットワーク戦略を軸に据える。年末商戦に投入する次世代家庭用ゲーム機「Wii U(ウィー ユー)」に米フェイスブックのようなSNS機能を搭載。国境を越えたユーザーと、ゲーム攻略法などの情報を共有できるようにする。岩田聡社長は「世界中のリビングがつながり、見知らぬ人たちが交流できるゲーム機になる」と強調する。
だが、頭打ちとなっているゲーム機市場の突破口を3社が見いだしたとは言い難い。この日、イベント会場に登壇したソニーの平井一夫社長は一言も発せず、来場者を落胆させた。ソーシャルゲームが急速に成長する中で、ネットワーク戦略をゲーム機販売の拡大につなげられないのは任天堂もMSも同じ。より多くのユーザーを獲得するには、これまで以上に魅力的な仕掛けが求められている。