酒税を徴収する国税庁も組合の運動をバックアップ。撤廃方針決定直後の8年3月時点で約18万6千台あった全国の酒自販機数は、23年4月には2万6830台にまで激減した。
規制緩和が追い打ち
15年に実施された酒類販売の規制緩和がそれに「追い打ち」をかけた。コンビニで酒が24時間購入できるようになったことで、自販機のメリットが失われてしまった。
とはいえ、小規模な小売店にとって、売り上げ全体の約1割を占める自販機が貴重な戦力になっているのも事実だ。西成区のある小売店主は「経営が先細りする中で自販機は強い味方。従来型機の撤去と改良型機の購入で130万円はかかるため、古いものを壊れるまで使い続けるしかない。撤廃の趣旨は理解できるが、あくまで組合の自主規制で罰則規定もない。正直者がバカを見るということになりかねない」と本音を明かす。
改良型機への切り替えがスムーズにいかなかった酒自販機に対し、たばこ自販機は切り替えに成功した。