まず昨年2月に新規開設した成田-マニラ(フィリピン)線などで午後の出発便を導入したところ、狙い通り米国からの帰省客を中心に乗客が集まり同便の搭乗率は9割を超えた。
午後便は、夜にアジアの空港に到着し機材や乗務員が宿泊するためコストはかさむが、アジアの需要を獲得する必要経費と割り切る。北米と中国を結ぶ成田-成都、成田-広州など、需要をみながら午後便の就航都市を拡大する方針だ。
一方、米ボーイングの最新鋭中型機「787」を17年度までに55機購入し、長距離路線の拡充も目指す。
787は軽量化で燃費効率を20%改善したため航続距離が大きく伸び、従来200~300席の中型機では難しかった日本から米国東海岸や欧州への直行便が可能になった。
今年1月から787で新規就航した羽田-フランクフルト(ドイツ)線は、羽田を深夜に出発し、翌日早朝に着いたフランクフルトで乗り継ぎ、欧州各都市に午前中に到着できる。日本のビジネスマンにとって使い勝手が良く、同路線の5月の搭乗率は80%台前半の高い水準を維持している。「羽田の国際化を商機としたい」(マーケティング室の中尾敦リーダー)という思惑通りの展開だ。
ただ、「際際」ネットワークの充実と787の相乗効果で国際事業の飛躍を狙う戦略の先行きには、難しい課題もある。
アジアの航空需要をめぐっては、シンガポールのチャンギ国際空港や韓国の仁川国際空港もハブ空港の地位を狙っている。