前委員長で経済評論家の田中直毅氏は、政府が保有する日本郵政株の売却を09年に民主党政権が凍結し、政府の関与が残ったことを理由に、新規事業を認めない姿勢を堅持してきた。
ただ、株売却の凍結を定めた法律は改正法の成立とともに廃止され、後任の西室泰三委員長(東芝相談役)は5月9日の会見で「田中氏の考えを踏襲するのではなく、公正・中立的な事実に基づいた判断をする」と明言した。委員会は、意見を示す際の判断基準となる「指針」を9月までに作成。日本郵政の申請があれば、指針に基づいてゴーサインを出す公算が大きい。
さらに改正法によって、日本郵政が100%を保有するゆうちょ銀の株式を半分以上、売却した後は、届け出だけで新規事業を始められるようになったことも、大きな追い風の一つだ。
「勝負にならない」
利ざやが大きい住宅ローンへの参入は「ゆうちょ銀の悲願」(銀行関係者)。ゆうちょ銀は資金運用の9割を国債などの有価証券が占めており、「他行より小さい利ざやが、近年の金利低下でさらに縮小する恐れがある」(日本郵政)。実際、10年度の利ざやは全国の銀行の平均1.19%に対し、ゆうちょ銀は0.85%にとどまっている。