製紙各社、エネルギー事業で売電本格化 「買い取り制度」参入後押し (3/3ページ)

2012.7.21 05:00

特定規模電気事業者(PPS)の社数

特定規模電気事業者(PPS)の社数【拡大】

 さらに、木材チップなどをペレットに加工して石炭発電設備の代替燃料にする技術の実用化にも、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で取り組んでいる。製紙工場には使い道のない間伐材などが集まるだけに、それらを燃料として有効活用できれば、収益を下支えする効果は小さくない。

 業界内では「再生可能エネルギーの買い取り制度は内容が今後変更される可能性もある」(大手)と同エネルギーの活用に慎重な見方も強いが、日本製紙グループは「バイオマスは温室効果ガス排出抑制の効果も高い」と意に介さない。

 余剰電力を活用

 一方、王子製紙は3月末に発表した事業構造転換計画の中で、発電事業の強化を打ち出した。具体的には北海道千歳市などに持つ6カ所の水力発電所を20億円をかけて改修し、外部販売分を含めて電力の安定供給を図る。さらに釧路市の釧路工場で、新聞用紙の生産能力削減に伴って生じる余剰電力を活用し、12年度中に発電事業を始める計画だ。また、北海道美瑛町の社有林でゼネコン大手の大林組と地熱発電の共同調査にも乗りだし、事業化を目指す。

 大王製紙も今夏、三島工場(愛媛県四国中央市)の発電設備から四国電力に供給する電力を、昨夏実績と比べて2倍の最大4万キロワットに増やすなど、発電事業を拡充する。

 本業の洋紙事業は「国民の紙離れもあり、将来にわたって回復は難しい」(アナリスト)とされる。エネルギー事業の正否は、高付加価値製品への転換や海外進出とともに、製紙各社の生き残り戦略に欠かせないものになりつつある。(高山豊司)


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