ミリ秒の戦い…東証に勝算はあるのか ライバルは速さ10倍 (3/4ページ)

2012.8.6 05:00

 だが、開発費約120億円に5年間の運用費用最大120億円という多大な費用をかけたアローヘッドの導入効果は限定的だ。斉藤社長の言葉通り、確かにヘッジファンドの取引獲得には一定の成果を上げているが、東証1部の1日平均の売買代金は1兆円割れで低迷し、減少傾向に歯止めがかかっていない。

 1日当たりの注文件数も1000万超と処理能力の5分の1以下。アローヘッド稼働後も東証の売買代金はニューヨーク証券取引所の4分の1程度にとどまったままだ。

 しかも、東証とアジアのハブ(中核)取引所の座を競うシンガポール証券取引所は0.074ミリ秒、ロンドン証券取引所は0.125ミリ秒など、世界では処理能力を増強したばかりのアローヘッドより、さらに10倍も速いシステムがすでに稼働している。十分に取引量を増やせないうちに東証のシステム優位性は色あせつつあるのが現実だ。

 速さの恩恵受けぬ投資家も

 国内でも証券取引所を経由せず株の売買ができる私設取引システム(PTS)が、9月からアローヘッドを上回る0.5ミリ秒以下の高速取引に対応する予定で、東証を取り巻く競争環境は厳しさを増している。

取引の超高速化で「見せ玉かどうか確定できない」

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