消費増税分の使い道【拡大】
「どうやって穴埋めしたの?」。驚いた男性は妻に尋ねた。食費や光熱費のほか、夫婦の洋服代、子供たちが楽しみにしている外食費など日々の生活を少しずつ切り詰めたうえで、足りない分はマイホームの購入や老後に備えて毎月6万円を積み立てていた預貯金を削っていたらしい。
子供たちの進学費用など今後の出費を考えれば、預貯金は減らしたくない。男性は困り果て、家計の専門家に相談することにした。
ファイナンシャルプランナーの柳沢美由紀さんは「預貯金だけで負担増に対応すれば毎月3万円が消える計算。将来設計を考えると非常に重い」と指摘。「優先順位を付けてストレスを減らしながら節約すべきだ」と助言する。
まず着目するのは固定費だ。生命保険料や携帯電話の料金、利用していないスポーツクラブの会費など毎月引き落とされる経費を見直せば、着実に節約できる。
日々のやりくりは毎月使える金額を大まかにでも把握したうえで、こだわりの少ない分野から順に減らしていくのがコツだという。「周囲のまねをして食費など特定の分野を削らなくてはいけないと思い込むと、かえって続かないケースが多い」(柳沢さん)からだ。