発電に関わるCO2は国内総排出量の3分の1を占め、その動向は日本が議定書で約束した90年度比6%削減の成否を左右する。だが、東電の柏崎刈羽原発が新潟県中越沖地震で停止した影響などで排出削減は進まず、各社とも海外などから排出枠を購入して削減量の不足を補っているのが現状だ。
東電の福島第1原発事故後、発電時にCO2を排出しない原発が全国で相次いで停止し、各社は化石燃料を使う火力発電に頼っている。日本エネルギー経済研究所の推計によると、関電大飯原発3、4号機以外の原発が再稼働しない場合、12年度の排出量は前年度比3.5%増加する。
火力発電の燃料費急増で財務状況の悪化に歯止めがかからないなか、コスト増につながる排出枠の購入を増やすにも限界がある。このため、電力業界からは「自主目標の達成は厳しい」と悲観的な声が上がっている。
電力9社の2011年度CO2排出量
排出量(万トン)前年度比増減率
北海道 1560 37
東北 4120 16
東京 1億2440 13
中部 6630 7
北陸 1852 48
関西 6569 40
中国 3945 ▲13
四国 1571 65
九州 4480 33
計 4億3167 18
増減率は%、▲はマイナス