質疑では、「ウェブマガジンを立ち上げ、学生によるインタビュー記事などを発信していきたい」と、卒業後の進路について語った。
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パネルディスカッション 審査員から辛口エール
審査員を務めたブロガーのイケダハヤトさん、元ジャーナリストの上杉隆さん、経済ジャーナリストの内田裕子さん、市民メディアアドバイザーの下村健一さんに、ゲストとしてジャーナリストの田原総一朗さんが加わり、パネルディスカッションを行った。
「ジャーナリズムとは何か」との問いかけに対し、イケダさんは「ジャーナリズムとは報道。自分は表現活動をしている」と、ジャーナリズムと一線を画す立ち位置を語った。内田さんは「現場にある真実をきちんと取材し、ニュートラルに伝えることが大切」と話した。
田原さんも「常に一次情報を取材すべきである」と、当事者にぶつかっていくことの大切さを説いた。上杉さんは「日本のメディアはビジネスの面においては優秀だが、情報にバイアスがかかり、ジャーナリズムの面においてはほとんど機能していない」と話した。
既存のメディアと誰もがジャーナリストになれるSNSの可能性についても討議。田原さんは「マスメディアは何も真実を伝えていない。既存メディアの限界を知るためにも、雇われジャーナリストになってみるべきだ」と、皮肉たっぷりに学生にアドバイスした。
イケダさんは「個人でやっていくには、自分で稼いで食べていくことが大切」と指摘。「メディアは情報発信のツールで、SNSもその一つでしかない。伝えるのは実際に取材する人。そこに惑わされてはいけない」と上杉さんが語り、パネルディスカッションを終えた。
審査の結果、早瀬さんが審査員が選ぶ最優秀賞と来場者による会場賞をダブル受賞した。審査員の講評で、下村さんは「記事はいずれも取材不足。YouTubeに実際に投稿した人、意見を発信しない『ROM専』の若者、ソー活をしている学生の声をきちんと拾ってほしい」と辛口のエールを送った。3人は新たな挑戦を誓い、大会は幕を閉じた。