プジョーのロゴ【拡大】
欧米などの自動車メーカーが欧州でリストラを加速している。工場閉鎖など生産拠点の整理を急ぐ一方、共同開発などで効率化を図る動きが進む。欧州債務危機の長期化で販売台数が低迷し、各社とも生き残りに懸命だが、雇用や経済への影響を懸念する政府や労組との軋轢(あつれき)も広がっている。
矢継ぎ早にリストラ策を打ち出しているのが仏プジョー・シトロエン・グループ(PSA)だ。24日に子会社PSA銀行が仏政府から計70億ユーロ(約7260億円)の保証を受けると発表。出資を受ける米ゼネラル・モーターズ(GM)との新車の共同開発も同日発表し、2016年の販売を目指す。
部品調達の共同組織も立ち上げて年20億ドル(約1600億円)の相乗効果を見込む。そのGMも独子会社オペルの経営不振が深刻で、経営陣を7月に刷新したが、身売り観測が後を絶たない。
米フォード・モーターは同日、ベルギー東部ヘンクの工場を14年末で閉鎖し、スペインなどに生産移管すると発表。英国でも工場閉鎖を検討中と報じられ、近く欧州生産拠点の再編計画を明らかにする。欧州フォードのオデール会長は「欧州事業の収益力を取り戻すため」と強調する。