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9月の欧州連合(EU)域内の新車登録台数は前年同月比11%減の113万台。前年割れは12カ月連続で、フォード関係者は「もともと欧州は供給過剰気味だったところに、債務危機が直撃した」と指摘する。
底堅かったドイツでも需要が落ち、独フォルクスワーゲン(VW)やダイムラーも苦戦を強いられている。
自動車各社のリストラで50万人以上が雇用を失うとの観測もあり、政府や経済界、労組も神経をとがらせる。PSAは7月に仏オルネー工場の閉鎖と8000人の削減を発表したが、オランド新政権が“介入”、労組との交渉も泥沼化している。
東日本大震災からようやく立ち直った日本勢も、欧州市場はリスクとなっており、三菱自動車がオランダの工場を売却。伊フィアットはマツダと提携拡大を模索するなど、欧州危機は再編の呼び水ともなりそうだ。(ワシントン 柿内公輔)