日立製作所の原発事業の売上高【拡大】
日立が原発事業の売上高の約半分に当たる巨費を投じて英社を買収した狙いは「発電所を建設する場を確保する」(羽生正治常務)ことだ。日立が扱う沸騰水型軽水炉(BWR)は事故を起こした福島第1原発と同じ炉型。事故前から加圧水型軽水炉(PWR)に比べ劣勢だったが、事故の後は、さらに厳しい競争環境にさらされている。
日立は、11月中にホライズンの全株式取得後、同社の計画を引き継ぎ、英国の2カ所で130万キロワット級の原発を計4~6基建設する。計画では、日立製のBWRを納めることを決めた後で、原発運営にノウハウを持つ電力会社からの出資を募り、数年後に日立の出資比率を10%前後に下げてリスクを減らす。
ライバル勢は静観
日立は、20年度の原発事業の売上高を12年度見通しと比べ2.5倍の3600億円に引き上げ、このうち半分を海外で稼ぐ青写真を描いている。ただ、日立が海外で原発を受注した実績はまだない。受注がほぼ内定していたリトアニアでさえ、10月に行われた国民投票で建設反対が6割超を占め、事業の先行きが不透明になっている。