デフレの環境下で、電力コスト増分を製品価格に転嫁させることが困難なことも海外移転を後押しする。大阪商工会議所のアンケートでは、約8割の企業が値上げによるコストの増加を商品価格に上乗せすることは「ほとんどできない」と回答した。
非製造業でも事情は同じだ。関西のある食品メーカーの関係者は、「商品の価格を上げることはできず利益を削るしかない」と語った。スーパー関係者は、家庭向け料金の値上げも予定されていることから「家庭の節約志向が高まると困る」と漏らした。
JR西日本の真鍋精志社長は「経済活動が値上げの影響を受けることが最も心配だ」と述べ、ビジネス客らの鉄道利用が減少することを警戒する。
関電管内の企業は電力不足を背景に、徹底した節電に取り組んできたこともあり、ある流通関係者は「きつい値上げ幅。これ以上の節電はできない。打つ手は乏しい」と嘆いた。
日本総研の山田久チーフエコノミストは、「国際的にみて日本の電気料金は高い。値上げの影響が長期化すれば、生産の海外移転が加速する」と警鐘を鳴らしている。