イラクでの商業活動の国別実績【拡大】
中韓が激しい攻勢
当然、巨大なイラクビジネスの商機は韓国や中国の企業も狙っており、国際競争は激化する一方だ。親日国のイラクでは、1970~80年代に日本企業が手がけた電力や肥料プラントが92年からの経済制裁時代を乗り越え、今も稼働するだけに日本勢の技術への信頼は高い。だが、政府のトップ外交と一体となった中韓勢の攻勢は激しい。
実際、電力案件では韓国のSTX重工業が相次ぎ受注し、今年3月には三星エンジニアリングも大規模ガスオイル分離プラントの建設案件を獲得。米ドゥニア・フロンティアコンサルタンツの調査によると、昨年のイラクでの企業の商業活動(投資や事業成約高)で韓国勢はトップの勢い。これに対し、日本勢の商業活動は国別シェアで約1%止まりとお寒い状況だ。
ライバルは中韓だけではない。イラク南部のあるガス火力発電所は4つのプラントすべてが日本製。にもかかわらず出足の遅い日本勢の間隙(かんげき)をぬって、既存プラントの図面すらもたないロシア勢が2、3号機の改修を受注した。