音楽CDの生産数量【拡大】
特に今年はMr.Childrenや桑田佳祐、山下達郎といった大物アーティストがベスト盤を含む新作を相次いで発表。これが中高年層の購買意欲を喚起し、いずれも数十万枚の売り上げを記録した。
「『勢いが続いているうちに』というレコード各社の思惑も働いた」(業界関係者)のか、11月に発売された松任谷由実のベスト盤は早くも30万枚以上を売り切った。
音楽配信が伸びていないこともCD復活の要因だ。同協会によると、今年1~9月の音楽配信はダウンロード回数、金額とも前年同期比約3割の減。「携帯電話からスマートフォン(高機能携帯電話)へのサービス移行が進んでいない」(あるレコード会社)ことに加え、配信よりも音質が良いとされるCDにこだわる中高年層が少なくないこともある。
人気定着へ若年層の開拓課題
中高年層がCDにこだわるもう一つの要因について、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の酒井善貴ゼネラル・プロデューサーは「音楽はステレオで大事に聴く、という文化が根付いている」と分析する。