三菱自動車の低燃費化技術の中心となるのが可変バルブタイミング機構「新マイベック」を搭載したSOHCエンジンだ【拡大】
その一方で、出力や回転効率が悪くなるという弱点を抱える。新マイベックでは、吸入する空気の量をスロットルバルブだけでなく、吸気弁の開閉タイミングなどで制御、ピストンが下に降りてくるときの吸気抵抗を減らす技術を確立。この仕組みにより、吸入時のエネルギー損失を減らし、走り性能を損なうことなく、燃費向上につなげた。
車体は高張力鋼板(ハイテン)の比率を高め、ボディーや足回り部品などで約60キロの軽量化を進め、全体では前モデルより最大約110キロ軽くした。燃料の消費に影響を与える空気抵抗についても、抵抗を減らすデザインを試作し、風洞試験室で風の流れを見ては調整するということを繰り返し、空気抵抗は前モデルに比べて7%減の0.33まで低減することに成功した。
車全体で燃費向上を目指したのに加え、アウトランダーでは運転者が楽しみながら「エコ運転」を心がける工夫が随所に施されている。その一つが「ECO(エコ)ドライブアシスト」。運転状況をバーグラフで表示し、運転者のエコ運転の状況がひとめで分かるようにした。