炭素繊維の世界需要見通し【拡大】
11月には炭素繊維を使ったレーシングカー部品の設計・製造・加工会社「チャレンヂ」(埼玉県狭山市)を完全子会社化。「多様な要求に対応できる技術と開発力を持つ」チャレンヂを通じて、BMW以外への採用拡大を目指す。
炭素繊維の最大の売り物は、鉄の10倍の強度を持ちながら、重さは4分の1程度しかないこと。自動車や航空機などで採用されれば車体や機体を軽量化でき、燃費改善につながる。
このため、東レでは世界の需要量は11年の3.7万トンから年率16%と2桁の成長が続き、20年には4倍近い14万トンに上ると予測。このうち、自動車を含めた産業用の伸び率が最も大きいと見込んでいる。
ただ、市販車に使われ始めたとはいえ、まだコスト高がネック。実際、ベンツやBMW、国産車の一部も採用は高級車のみにとどまる。量販車に広く採用されるためには、一層の効率化が欠かせない。