三菱化学鹿島事業所のエチレン製造設備。化学産業は得意の触媒技術で国際競争力向上をねらう【拡大】
その実用化に向けた課題の一つが、太陽光の大半を占める弱い光「可視光」に反応する光触媒の開発。従来の光触媒は、太陽光に数%しか含まれない紫外線に応答するタイプしかなかったため、「工業的な手段」としては限界があった。
そこで、可視光領域で飛躍的に水素を作れる光触媒の探索と設計に挑み、板状の「光触媒モジュール」に仕上げる。
水の分解後に水素を取り出す課題も追究する。分子レベルの微細な孔(あな)を持ったゼオライト膜やシリカ膜を改良し、水素を通過させるが酸素を通さない機能をもつ膜の開発をねらう。
そこで分離した水素にCO2を化学反応させて目的の「炭化水素」を得る触媒も鍵を握る技術だ。炭化水素の炭素数には幅があり、現状では「炭素数が2~4」と少ないエチレンやプロピレンなどを選択的に作り出す触媒が確立されていない。
そうした低炭素数の物質を効率的に合成できる触媒の開発も重視し、16年度に新技術を採用した小型試験施設を設置。最終年度の21年度には、エネルギー変換効率「10%」の光触媒を作り上げる。