三菱化学鹿島事業所のエチレン製造設備。化学産業は得意の触媒技術で国際競争力向上をねらう【拡大】
最終目標は、太陽光と水で基礎化学品を作るプラントの実用化に結びつく基盤技術の確立だ。経産省は「30年の基礎化学品(オレフィン)製造量約1300万トンの2割を新技術によるプラントに置き換える」(機能性化学品室)ことを視野に入れる。
化学メーカーは、原油から精製される「ナフサ」を基礎化学品に分解し、それを原料に競争力の高い多様な製品を生み出してきた。しかし近年、新興国の経済発展などを背景とするナフサ価格の高騰が各社の経営を圧迫し、国際競争力の低下を招いている。それだけに、輸入する原油やナフサへの依存度を下げる革新技術が求められていた。
「CO2 16%削減」
化石資源を大量消費しCO2排出量も多い化学産業の環境負荷を下げる意味でも、新技術への期待は大きい。経産省の試算によると「化学産業の年間CO2排出量の16%に相当する約820万トンを削減できる」(同)という。