【ニッポン経済図鑑】象印マホービン「まほうびん記念館」 (1/2ページ)

2012.12.29 05:00

 ■日本人の生活に寄り添い100年

 日本で初めて魔法瓶が大阪で作られてから100年になる。真空を利用して飲料や食品の温度を保つ魔法瓶はいまや、日常生活やレジャーに欠かせない道具の一つになった。老舗メーカー、象印マホービンの本社に併設された「まほうびん記念館」には、バラエティーに富んだ製品約200点が集められ、魔法瓶の発明史や大阪の地場産業から世界規模にまで成長した業界の歴史を知ることができる。

 館内に一歩入ると、花柄などカラフルなデザインのポットやステンレスボトルがずらりと並ぶ。白を基調としたシンプルな内装に映える。

 常設の歴史コーナーをのぞくと「驚く可(べ)き発明なる 寒暖壜(びん)」と書かれた1908(明治41)年の広告が展示されている。欧州で発明、商品化された魔法瓶は、明治時代末期に日本に輸入された。当時のキャッチコピーは、保温・保冷性を表すのに言い得て妙だ。

 山口己年男(みねお)館長(59)は「魔法瓶の命名の由来や時期は分かっていませんが、温度を長時間維持する機能が当時の人たちには魔法のように感じられたのかもしれません」と話す。

 魔法瓶は1912(明治45)年に初めて国産化された。当時盛んだった大阪のガラス工業メーカーが、ガラス製で二重構造の中瓶の製造に相次いで乗りだし、大阪は一大産地に成長した。70年代半ばから80年代にかけ、ガラス製より強度を高めたステンレス製品が発売されるなど魔法瓶は進化を続ける。

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