トヨタ自動車の世界販売台数【拡大】
同社は07年ごろまでは米国を中心に海外工場を次々に新設。08年3月期に売上高26兆2892億円、営業利益2兆2703億円と過去最高の決算を達成し、07年の販売台数も世界一と絶頂期を迎えた。
だが、その直後にリーマン・ショックが起き、翌年の大規模リコールと立て続けに問題が発生。09年3月期に戦後初の営業赤字計上を余儀なくされた。特にリコール問題では顧客対応が遅れ集団訴訟を起こされるなど「顧客目線が欠落していた」(同社幹部)ことが露呈した。
実際、豊田社長は米議会公聴会でリコール対応を追及された際「私の就任前は(会社の)成長が早すぎて人材育成のスピードを上回っていた」と述べた。
豊田社長はこの時点で、顧客目線に立つと同時に、原点に戻ってクルマづくりを見直そうと決断したようだ。
顧客目線では、品質管理費用として昨年度は約4300億円と、ここ約3年半で約2.5倍に増やした。「『走る』『曲がる』『止まる』の基本性能に少しでも疑いがあれば、ためらうことなくリコールする」(同社幹部)方針を掲げる。